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家族の相続対策は準備できていますか?親の財産がわからない場合の対処法を解説

もし親が亡くなった場合に、どのように相続するのか、また相続税対策などを行っているか気になるという人も多いのではないでしょうか?

しかし親の財産がどのくらいあるかがわからず、親に聞くにしても相続を当てにしているかのように思われると聞きづらいと思う人も多いです。

本記事では、親の財産がわからなければどうなるか、また親の財産を把握する方法についてご紹介します。

親の財産がわからないとどう困るか

親の財産がどういう状態になっているかがわからないという人は、少なくありません。多くの人が不安を抱いている現状といえるでしょう。しかしいつ親に万が一のことが起こるかはわかりません。確認できるようであれば確認するようにしておくとお互いが安心できるでしょう。

もし親の財産がわからないまま亡くなった場合、どうなるかといえば、相続時にどこに財産があるのかがわからず、ひとつひとつ探していかなければならなくなります。財産には資産もあれば負債もあります。負債が多ければ相続放棄するという選択肢や、資産の範囲内で相続する限定承認という方法が取れます。しかし親の財産がどのくらいかがわからなければ、すぐに判断ができず確認してから相続することになるでしょう。

相続すると相続税を支払う必要があり、相続があることを知った日の翌日から10か月以内に申告しなければなりません。しかし親の財産がわからなければ、相続してから財産を確認していく必要があり、その後相続人同士で遺産分割協議を行って、名義変更し、相続税の申告となります。限られた時間の中で手続きを進めていかなければならないため、手間と時間がかかってしまいます。

できれば親が亡くなる前に確認をしておきたいと考えることでしょう。

親の財産の把握方法

親の財産を把握するためには、いくつかの方法があるためご紹介します。

直接聞く

親に直接聞いて確認する方法があります。しかし親元から離れて、それぞれの家庭があることが多いため、どんな生活をしているかを知ることは難しいでしょう。お盆やお正月時期になると、実家に帰省することも多いため、何気なく聞くほか、改まって話し合うことも可能です。

その他親が病気で入院した時は、親や子にとって財産を考える機会となります。病院の入院費や、介護になった場合の費用などを話し、退院したら相続を踏まえた話し合いの場を設けると良いでしょう。親が介護状態になった場合も、介護サービスを利用すればお金も減っていくため、病院の入院時と同様に話し合いを進めていくことになります。

どんな場合であっても、親と話す機会を設けて、お金のことや財産について話ができるようにすることをおすすめします。

財産目録を書いてもらう

親が保有している財産がどのくらいあるのか知るためには、財産目録を書いてもらうことです。財産目録は親名義で保有している現金や預貯金、株式などの有価証券、不動産、生命保険などの財産がどのくらいあるのかを把握できます。

また財産状況を確認した結果、相続対策が必要となった場合にも財産目録があれば適切に対策を行えるでしょう。

遺言書を書いてもらう

親が子どもに財産について共有することに抵抗があるようであれば、遺言書を作成しておいてもらう方法があります。遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、手軽に作成できるのが自筆証書遺言です。また自筆証書遺言で作成した遺言書は、法務局に預けることができるため、保管場所に困ることもありません。

遺言書は遺産分割方法を指定することができ、財産目録も添付できます。ただし遺言書が法的効力を有するためには、細かく決められている記載要件に沿っている必要があります。そのため間違いも起こりやすいです。もし遺言書を作成する場合、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に相談して作成すると不備が起こらなくなるでしょう。

なお一度作成した遺言書は書き直して更新することも可能です。もし財産内容が変わった場合に書き直せることも伝えておきましょう。

エンディングノートを書いてもらう

遺言書の作成は難しいと思っている場合、エンディングノートを書いてもらう方法があります。エンディングノートは自分自身のことや、財産や資産、重要な契約情報、医療や葬儀の希望などについて記載ができます。

ただし、いきなりエンディングノートの作成を親に勧めても拒否される可能性があるでしょう。まずはエンディングノートを親に勧める前に、自分で書いてみて、書いたものを親に見せることをおすすめします。親も子どもの書いたエンディングノートを見ることで書き方がわかり、書く際の抵抗感も薄れるでしょう。

エンディングノートは亡くなった後のためだけではなく、これからの人生を生きていく上でも役立ちます。自分の大切にしている価値観などが整理されるため、書き終わってみると達成感を感じることもあります。もちろん亡くなった後に財産の確認や、さまざまな手続きをする上でも活用が可能です。

親の財産がわからない時にできる対策

親の財産がわからない場合でもできることはあります。もし兄弟姉妹がいればお互いに相続についての考えを話し合ったり、相続のことを各自で調べて共有したりできます。

また兄弟姉妹のうち誰かが親と同居している場合、親の状況も確認しておくと良いでしょう。相続人同士で意識疎通が取れていれば、親に万が一のことが起きたとしてもトラブルになりにくく、手続きもスムーズに進められるでしょう。

まとめ

親の財産がどのくらいあるのかがわからない場合、どのように相続するのか、また相続税対策などを行っているか気になるでしょう。もし親に万が一のことが起きた場合に、財産を調べるところから始めなければならないため、手間と時間がかかってしまいます。

普段から親と直接話ができるようであれば、財産や相続について話しておくことや、遺言書、エンディングノートを作成しておいてもらう方法があります。また兄弟姉妹がいる場合には、相続人同士でも共有できるようにしておくと良いでしょう。