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葬式やお墓の希望を伝えておく どんなことを伝えたらいい?

終活のメイン事項として、「葬式やお墓についての希望を伝えること」があります。

今回はこれに焦点を当てて、「どのように伝えたらよいか」について解説していきます。

なおここでは、特筆しない限り、「エンディングノートに記して伝える」「仏教徒である」という状況を想定しています。

葬式の希望の伝え方のポイント

希望とする葬式を伝えたい場合は、以下の5点を意識して記していくとよいでしょう。

1.契約している葬式会社があるのならば、その葬式会社の情報

2.宗教観

3.葬式の規模

4.葬式の内容

5.遺影用の写真や葬式費用を用意してあるのであれば、そのありか

詳細を解説していきます。

1.契約している葬式会社があるのならば、その葬式会社の情報

終活の一環で「葬式会社と契約を交わし、費用までを払い込んでおく」という生前契約を結ぶ人もいます。また、生前契約まではいかなくても、「事前に葬式会社と打ち合わせをしてきた」「会員になった」という人もいるでしょう。

そのようなケースなら、まず真っ先にこの項目を記します。

2.宗教観

自分がどの宗教を信じているか、宗派は何かを書いておきます。菩提寺があるのならば、それも忘れずに記しましょう。

また、「宗教への帰属意識は低いので、無宗教の葬式としてほしい」などの希望がある場合はこれも記します。

3.葬式の規模

一般葬(おくやみの知らせを出し、広く弔問客に足を運んでもらう方法)か、それとも家族葬(家族や親族、極めて親しい友人などだけで送る方法)か、どちらを希望するかを書きましょう。

また、一般的な葬式のように2日間(通夜と葬式)を希望しているのか、それとも一日葬(通夜をせずに、1日で終わらせる方法)を希望しているのか、それとも直葬(火葬場でのお別れのみを行う方式)を希望しているのかも記しておきましょう。

現在は、小さく行う葬式が人気です。

4.葬式の内容

「好きな音楽で送り出してほしい」

「好きな花があるので、その花で祭壇を飾ってほしい」

「精進落としの席で出す料理は、自分の好きだったお店のものを希望している」

「香典返しはこのアイテムにしてほしい」

などのような希望があるのならば、これも記しておきます。

なお「趣味のモチーフを花でかたどった祭壇を作ってほしい」などのような明確で難しい希望がある場合は、事前にそれを作れる葬儀会社を探しておく必要があります。

5.遺影用の写真や葬式費用を用意してあるのであれば、そのありか

事前に遺影用の写真や葬式費用を用意してあるのであれば、それがどこに片づけられているかも書いておきましょう。

特に遺影用の写真は何十年にもわたって残り続けるものですから、納得のいく1枚を選びたいものです。

お墓の希望の伝え方のポイント

お墓の希望を伝える場合は、

1.お墓があるのかないのか、あるとすればどこにあるのか

2.宗教観

3.【新しく埋葬場所を選ぶ場合】契約が済んでいるのであればその業者の情報

4.【新しく埋葬場所を選ぶ場合】どんな埋葬方法を希望するのか

5.【新しく埋葬場所を選ぶ場合既存の墓をどうしてほしいのか

を書き記しましょう。

1.お墓があるのかないのか、あるとすればどこにあるのか

「先祖代々のお墓があり、自分もそこに入りたいと思っている」という場合は、墓の場所と菩提寺のことを書いておきましょう。特に、「自分たちは菩提寺と付き合いがあったが、子どもはそうでもない」などのケースでは、この情報が非常に重要となります。

2.宗教観

自分が信仰している宗教や宗派はどこなのかを記さなければならないのは、葬式のときと同じです。

また、「今は菩提寺に墓があるが、離檀(檀家でなくなること)したい」「自分は無宗教のお墓を建ててほしい」などの場合は、それも記します。

3.【新しく埋葬場所を選ぶ場合】契約が済んでいるのであればその業者の情報

新しく埋葬場所を選ぶ場合で、かつすでに契約が済んでいる業者があるのならばそのデータも書いておいてください。

ちなみに生前にお墓(墓所)を購入しておくと、税制面で有利になります。

4.【新しく埋葬場所を選ぶ場合】どんな埋葬方法と墓を希望するのか

現在は弔いのかたちも多様化していっています。一般墓はもちろん、樹木葬や海洋葬、納骨堂などの選択肢があります。また永代供養や合葬を希望することもできます。

「どんな埋葬方法が良いのか」を記しましょう。

また、「洋風のお墓を作ってほしい」「好きな言葉を彫り込んだお墓にしてほしい」「婚家のお墓には絶対に入りたくない」などの要望があるのならば、それも忘れずに書きましょう。

5.【新しく埋葬場所を選ぶ場合既存の墓をどうしてほしいのか

「自分たちは新しい埋葬場所に埋葬してほしい・してもかまわないが、先祖代々の墓がある」というケースでは、「既存の墓をどうしてほしいのか」も書いておくことをおすすめします。

一般的には墓じまいを行うことになりますが、「手入れが多少おろそかになってもいいので壊さないでほしい」「専門の業者に管理を依頼してほしい」などの希望がある人もいるでしょう。

その場合はこれもエンディングノートにつづっておきましょう。

葬式やお墓の希望を記すことは、終活において非常に重要な意味を持ちます。

よく考えて書きたいものですね。