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30年以上同じ会社に勤め続けていた57歳の私が早期退職を決意した背景とその後の活躍のストーリー


(クリエイター:craftbeermaniaさん

2022年4月。私は会社に早期退職を告げました。定年まで3年を残しての決断です。当時、私は57歳、同じ会社に勤め続け社歴はすでに30年を超えていました。

そのときの𝕏(旧Twitter)ポスト

そんな私は、いま𝕏(旧Twitter)で1万人以上のフォロワーさんに恵まれました。𝕏(旧Twitter)経由で仕事を獲得し、年金+αの収入を得ながら豊かなセカンドライフを楽しんでいます。詳しくは拙著で述べています。

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失敗しない早期退職

50代会社員の日常

50代半ばを過ぎると会社でのポジションもほぼ確定し、定年までの道筋が残酷までもクリアになってきます。取締役として会社の経営に参画する人はほんの一握り、ほとんどの50代社員は若手に業務を引き継ぎながらプレイングマネージャーとして繰り返し同じ日常を過ごしているのではないでしょうか。一度でも出世ルートから外れた会社員は、これからも変わらない忙しい日々を過ごし、もれなく定年を迎えるのです。同僚社員から慕われ、役職がなくても幸せな会社員生活を送れる人もなかにはいます。でもそれ以上に毎日に嫌気がさし早期退職が頭をよぎる人も多いのではないでしょうか。

感情で決めてはいけない早期退職

会社をすぐにでも辞めたくなる気持ち、とてもわかります。現実から逃避したくてお酒におぼれたり、家族に辛くあたったり、休日なにもやる気が起こらず、ぼーっと過ごしていたらあっという間の月曜日の朝。

そんな精神状態で一番してはいけないことは感情で会社を辞めてしまうことです。たとえ会議で大勢の前で叱られても、理不尽な顧客からクレームを受けてもグッと我慢。準備の整っていない早期退職はとても危険です。

早期退職が頭をよぎったらまず考えること

長く会社員でいると経験しているはず、嫌な上司もそのうち異動します。自分も異動するかもしれません。他人に傷つけられても、傷つけられたと感じるのは自分。反省すべき点を気づかせてくれたありがたいアドバイスと考えれば少しは前向きになれます。でも早期退職が頭をよぎる出来事が多発的に起こるときは、粛々と準備を始めましょう。心を病んでしまっては元も子もありません。早期退職の準備は、大きく3つ。心身共に健康を保つ、退職後の生活基盤を固める、そして、叶えたい夢を持つことです。

心身共に健康を保つには

早期退職後の生活に必要なのはお金と健康。なかでも一番大切なのは健康です。会社員のときの様に休業保障や福利厚生がないため、体を壊すと多額の治療費が必要になってきます。頼りにならない年金にアルバイトで稼いで収入を増やそうと企てても体が丈夫でなければ蓄えが減る一方です。

早期退職が頭をよぎったそのときからバランスのいい食事や適度な運動、飲酒を控え、心身共に健康を保ってきましょう。

退職後の生活基盤を固めるには(支出)

退職後、無職になるなら家計の収支を確認しておきましょう。毎月どのくらいの収入があるのか、食費や光熱費、住居費に加え、サブスクや月会費でどのくらい支出しているのかをしっかり把握するのです。特に重要なのは家のローン。借金を抱えての無職ほど危険な状態はありません。

意外と見落としなのは社会保険料。会社員のときは扶養家族も含め保険料は給与天引きのため、あまり意識してこなかったのではないでしょうか。無職になれば国民年金に加入しなければいけませんし、国民健康保険も多額です(前年の収入にもよりますが)。扶養家族という概念がありませんので配偶者も支払う義務が発生します。

退職後の生活基盤を固めるには(収入)

退職後に手にするのは退職金。勤続年数が長いとそれなりの金額になります。だた退職金の本来の意味は老後の生活基盤の確保です。長年の夢だからと言って無計画に飲食店を始めたり、銀行の言いなりになって詳しくない投資をしたりしないことです。節税のことも頭に置きながら一時金ではなく退職一時金と退職年金を併用するなど、計画的な受け取り方を選びましょう。

また、退職後もまだ働く意欲があるなら雇用保険の基本手当を受給しましょう。長年雇用保険料を支払ってきたのですから職を探しながら受給するのに遠慮はいりません。ただ基本手当をもらえる条件(失業状態にあること、働く意志があること、など)を満たしておく必要があります。

そして私がおすすめするのが副業です。今は多くの会社が副業を認めています(公務員など一部の企業は禁止していますが)。退職後に年金プラスαの収入があることはとても心強い要素です。パートやアルバイトのような働き方も否定をしませんが、できれば自分のスキルを活かした商品を作って売ってみましょう。ポイントは固定費がかからないビジネスを構築すること。今はネットに繋がった環境であれば色々なビジネスが可能です。

詳しくは、
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叶えたい夢を持つ

そして最後に重要なことをもう一つ。それは、絶対叶えたい夢を持つことです。人生100年時代、会社員よりも退職してからの方が人生は長いのです。出世して多くの部下を持つ、会社の売上に貢献する新商品を開発する、こんな夢は、退職してしまっては意味を成しません。もう一度『人生で叶えたい夢』を再設定することが重要なのです。

夢は出来るだけ解像度高く、持てる想像力を総動員してイメージするのです。具体的に場所、共にいる仲間、過ごす時間をまるで映画監督の様にキャスティング、舞台設定を行うのです。

心の底から湧き上がる「好き」の感情を大切にしてワクワクする未来が描けたら完成です。

あとは、年、月、週単位で目標設定、コツコツ行動して行けば必ず夢は近づきます。目標設定と進捗管理はSMART法がおすすめです。

SMART法の𝕏(旧Twitter)ポスト

早期退職後にも続く本当の人生

バブル世代の会社員は仕事が命。人生そのものでした。私も高度成長時代の日本で働いてきた親の背中を見て育ち、そのせいかどうかわかりませんが、サービス残業当たり前、顧客の接待、休日もお仕事をお持ち帰り、家事は妻にまかせっきりの仕事人間でした。

しかし、時代が変わって今は令和。日本の失われた30年は私が働いてきた時代そのものです。石川啄木ではないですが「働けどはたらけどなお、日本豊かにならざり」と嘆きたくなります。

そして私が55歳になったとき、早期退職を決意します。早期退職を成功させるため、家計の収支を把握、無駄なサブスク契約を一掃、格安スマホや保険の見直しなど節約できることは全て行いました。また、社会保険の仕組みを理解、副業で0→1を達成、出来る限りのセーフティネットを敷き詰めてあらゆる準備を行いました。

(クリエイター:FineGraphicsさん

そして最後に行った一番大切な確認は、

『家族の理解を得る』

ことでした。

早期退職は自分だけのことではありません。家族にも大いに影響します。私は、もし妻に反対されたら早期退職をあきらめる、と腹を括っていました。結果、無事妻の同意を得て今があるのです。

まとめ

50代の半ばは人生の半ば。会社員として一心不乱に頑張ってきた人もふと過去を振り返り、将来のことを考える年代でもあります。バブル世代を生き抜いた会社員は出世や会社の業績を押し上げる成果をだす、というのが夢だったのかもしれません。でも退職したら人生の夢を再設定しましょう。叶えたい夢。人から指示されたものではない、自分の心に正直な想いを形にするのが豊かなセカンドライフの実現方法なのです。

執筆:みらいのびた