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葬儀の希望を伝えよう どんな方法でどう決める?

生前に葬儀の希望を伝えるためには

生前に葬儀の希望を伝えるにはいくつか方法があります。どこまで何を決めておくべきなのかというのはその家庭や環境によって様々です。自分にあった方法を検討しましょう。

家族に相談する

最も手軽で且つ一番重要なのは、家族などの親族に相談し、予め希望を伝えておくことです。その希望が家族も納得した上で実現可能な内容なのか、葬儀社含めて相談しておくとより良いでしょう。

遺言書などの書面に残しておく

死後のことなので遺言書に記載をしておけば良いのではないかと考える方もいるでしょう。遺言書には主に自筆証書遺言と公正証書遺言の二種類あります。遺言書に希望する葬儀の内容を記載する場合は、必ず存在を家族に伝えておくようにしないと、死後すぐに開封してもらえないままに葬儀が行われてしまう可能性がありますので注意が必要です。また、どの形式の遺言書であったとしても、必ず記載してある内容で葬儀を遂行しなければならないという義務はありません。もちろん、遺言書を見た相続人が故人の意思を最大限尊重して葬儀を行う、ということを期待はできますので、そういった意味で記載するのは良いでしょう。

遺言書以外でも、エンディングノートなどに希望する葬儀のやり方を記載し、家族に存在を伝えておくことも出来ます。

第三者に依頼をする

家族や親族がいない方などは、司法書士などの専門家と死後事務委任契約を結び、死後の手続きや葬儀に関わる事項を依頼することが可能です。

葬儀社によっては生前予約を行っている会社もあります。ただ、生前予約したことを家族が知らなければ別の葬儀社に依頼してしまう可能性もありますので、予約をした場合には必ず家族に伝えましょう。

また、時代の流れとともに物価が上昇したり、葬儀のやり方が変わったりすることも考えられます。十数年前の契約では、希望した内容で葬儀が行えない場合もあります。契約を定期的に見直すことが出来るか、もしその葬儀社が倒産した場合はどうなるか等は確認しておくようにしましょう。

葬儀の希望を伝える手順

まずは『誰にどのように自分の最期を送ってもらいたいのか』という基本的な方針を最初に考えましょう。その後で、具体的な葬儀の内容などを家族と相談しながら決めていきます。ある程度内容が決まったら、葬儀社などに事前相談をし、概算の見積もりを作ってもらうと費用の準備もできるので安心です。

自分の考え、方針をまとめる

自分の考えがうまくまとまらないときには、エンディングノートなどで自分の人生を振り返り、自分が大切にしていた物や考え方など、まとめてみましょう。この作業は葬儀の内容を決めるのにも役立ちます。

例えば「家族だけで静かに見送ってもらいたい」という方針なのか、「生前お世話になった人には連絡を取ってもらい、皆に最後を見送ってほしい」という方針なのかで葬儀のやり方が変わってきます。

具体的な葬儀の内容を決めていく

葬儀を実施する際に具体的に決めなければいけないことは大まかに下記の事項です。

①葬儀の内容

②参列者、弔問客に関して

③遺骨・お墓(埋葬の方法)に関して

これらを自分の希望を伝えると共に家族に相談しましょう。

①葬儀の内容

現在、葬儀のやり方も様々あり、宗教式以外にも色々な選択肢があります。

・仏教式など宗教のやり方に沿った式にするのかどうか、その場合菩提寺など付き合いのある宗教者はいるのかどうか

・通夜・告別式は行うのかどうか

・依頼する葬儀社の候補はあるのか

・予算

ということを主に考えておくと良いでしょう。

②参列者に関して

参列者は家族や親戚だけなのか、一般の方(仕事関係やご近所の方等)の参列や弔問も受け入れるのかどうか、ということを決めておきましょう。

家族以外の参列や弔問を受け入れる場合には、香典や供物は受け取るのかどうかも併せて考えておくと良いでしょう。

③遺骨・お墓に関して

日本国内ではご遺体は必ず火葬する必要があります。先祖代々の墓がない場合や、あったとしても自分の代で後を継いで管理する人がいなくなってしまう場合などは遺骨をどうするのか考えなくてはなりません。

生前に墓じまいを検討したり、自分の遺骨はお寺などに永代供養を依頼したりする、ということもできます。また、近年では散骨や樹木葬などのお墓に入る以外の選択肢もありますが、専門業者などに依頼する必要もありますので、費用面などでも現実的なのか検討しておくべきでしょう。

葬儀の希望を伝えるにあたって失敗しないためには

生前の希望通り、自分の葬儀を執行してもらえるようにするためには、下記の二点がポイントです。

①自分だけではなく、家族も納得した内容になっているかどうか

②葬儀社など専門業者に依頼したときに、実現できる内容になっているのかどうか

自分が亡くなった後、自分自身で葬儀を行うことは出来ませんので、必ず誰かに依頼する必要があります。自分の中で決めてしまって終わりではなく、家族や親族、葬儀社などへ、希望する内容で葬儀が行えそうなのか相談し、その内容のメリットデメリットや費用などを洗い出して準備しておくことが失敗しないための重要なポイントになります。