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なぜ終活には戸籍謄本が必要なのか?生前に取得するべき理由を解説

終活を始めると戸籍謄本を取った方がよいといわれます。なぜ終活に戸籍謄本が必要なのでしょうか?この記事では戸籍謄本とは何か?なぜ終活に戸籍謄本が必要なのかを解説します。終活、人生の終わりのための活動に役立ててください。 

戸籍謄本とは 

戸籍とは一人の人間の家族的身分関係を証明するものです。戸籍謄本は戸籍の写しで、公文書となります。父、母、未婚の子どもで構成され、氏名、生年月日、出生地、続柄が正しく記載されています。戸籍をおいた場所、登録した場所を「本籍地」と呼び、戸籍謄本は本籍地から取り寄せます。日本の男女は結婚すると、親の戸籍から抜け(除籍)、新しく戸籍を作ります。従って生涯本籍地が変わらない人もいれば、何度も本籍地が変わり、遡りが難しい人もいます。戸籍謄本には戸籍に記載してある家族全員の項目が書かれています。戸籍に記載してある一部の人に限定して書かれた書類を、戸籍抄本と呼んで区別しています。終活には全員の戸籍が記載された、戸籍謄本が必要となります。 

戸籍謄本の種類 

戸籍を証明する書類は3種類あります。それぞれの特性を理解し、必要な証明書を取得しておきましょう。 

戸籍謄本 

現在の戸籍です。戸籍謄本の取得を終活のスタートとする人も多くいます。現時点での本人の家族的身分を証明する書類となります。 

除籍謄本 

死亡、結婚、本籍地の変更などで除籍となったことを証明する書類です。家族全員が戸籍からいなくなっても記録として残ります。終活、相続にはこの除籍謄本も必要です。 

原戸籍(改正前戸籍) 

戸籍は法改正などで様式が変更されます。変更があれば以前の様式を作り変え、新しい戸籍に書き換えます。書き換えられる前の戸籍を、「原戸籍(改正前戸籍)」と呼び、終活、相続に必要な戸籍となります。 

戸籍の附票 

戸籍と一緒に管理され、住所の変更が記録されている書類です。戸籍に入っていた期間の住所が記録された、重要な情報となります。終活、相続に必要です。 

戸籍謄本の取り方 

戸籍謄本は本籍地から取得します。本籍地が遠方、本人が寝たきりなどの理由で直接出向けない場合は、郵送したり、代理人を立てたりして取得します。マイナンバーカードや住民基本台帳カードを利用してコンビニでも取得できます。本人が出向いて戸籍謄本を請求するには、印鑑、本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)を持参します。手数料の用意もしておきましょう。代理人が戸籍謄本の請求をする場合、上記の印鑑・本人確認書類に加え、本人からの委任状、代理人の本人確認書類が必要となります。郵送で請求する場合は、市区町村のホームページから請求書をダウンロードし、印刷して記入しましょう。コンビニで取得するにはマイナンバーカードや住民基本台帳カード、暗証番号を用意しておきます。市区町村によってはコンビニ取得を実施していない自治体もあるので、注意してください。 

なぜ終活に戸籍謄本が必要なのか? 

人が死亡すると遺族は戸籍謄本を取得しなければなりません。戸籍によって相続における全ての法的相続人を限定するためです。相続には生まれてから、何度か変動した全ての戸籍を取り寄せます。しかし以前親がどこに住んでいたか、誰と結婚していたか、子どもがいたかなど、遺族が知らない可能性もあるのです。終活は残される家族のため、これまでの自分を全て明らかにしておく作業です。自分が亡くなったあと、確たる情報もないまま、本籍地を探し歩くような負担を、愛する家族にかけたくないものです。残される家族の混乱を防ぐために、遺言書の作成、エンディングノートの執筆と合わせて、戸籍謄本の生前取得が推奨されています。 

戸籍謄本は終活の一環として、生前取得が推奨されています。戸籍を証明する書類は3種類あるので、終活、相続に必要な書類を正確に把握しておきましょう。戸籍謄本は残される家族の混乱を防ぐために生前取得します。今日まで生きた一人の人間の証、自分自身を明らかにする公的書類です。