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相続時の財産調査とは何か?初心者が進めるための手順と失敗しない方法について

相続が発生した際に、相続財産を受け取る方が複数人いる場合、遺産分割協議を行います。しかし実際に相続財産を受け取ることになった場合、どのくらいの財産があるのかわからない方が多いのではないでしょうか。

その際に相続することになる財産の調査を行うことで保有財産がわかり、もし相続になった場合に遺産分割協議もスムーズに進めることが可能となります

本記事では財産調査とはどのようなもので、どういった手順が必要なのかをご紹介していきます。

財産調査とはどんなものか

相続時の財産調査とはどのような内容で、どの項目を調べるかについてご紹介します。

財産調査とは

相続時の財産調査とは、亡くなった方の財産がどれくらいあるかを調べることです。財産調査により相続財産が分かれば、相続税の計算だけでなく、遺産分割協議もできるようになります。相続人の財産を分けるためにも、財産調査は必要です。

では、調査する財産はどのようなものが該当するのでしょうか。財産調査する項目は次の6つになります。

1. 預貯金
2. 不動産
3. 生命保険
4. 株式、投資信託、有価証券
5. 借金などの債務
6. 貴金属や自動車、ゴルフ会員権など

預貯金

金融機関へ問い合わせを行い、預金残高の確認をします。複数の金融機関の口座を所有している場合、各金融機関へ連絡する必要があります。問い合わせを行うことで、生前使っていた口座が凍結されるため出金ができなくなります。

不動産

不動産を所有している場合、固定資産税納税通知書で確認することができます。不動産の権利証や登記識別情報でも所有している不動産の確認が可能です。

生命保険

生命保険に加入している場合、保険会社に問い合わせすることで確認ができます。そもそも生命保険に入っているのかがわからない場合、口座引き落としされている保険会社がないかを調べることで確認することが可能です。

それでも確認できない場合には、「生命保険契約紹介制度」を利用することで、生命保険協会が42社に対して、一括で契約の有無を確認してくれます。

株式、投資信託、有価証券

株式や投資信託、有価証券などは、証券会社や信託銀行の明細書などから確認することが可能です。その他方法として株式会社証券保管振替機構に開示請求することで、証券口座の有無がわかります。

借金などの債務

債務などの負の財産は、相続税の納税額を圧縮できる効果があります。しかし債務も相続人で受け継ぐ必要があります。

相続人は今後自身が支払う債務を確認する上でも、借入している金融機関へ問い合わせして確認しましょう。その他の方法として日本信用情報機構やシー・アイ・シーなどに問い合わせすることで確認ができます。

貴金属や自動車、ゴルフ会員権など

時計などの貴金属や自動車、ゴルフ会員権も財産になります。現物が手元にある場合と、貸金庫などに保管していることもあるため調べて確認するようにしましょう。

財産調査を初心者が進めるための手順とは

上記でご紹介してきた6つの項目に関する資料がないかを確認します。どの場所に保管されているかについて、人によって異なるためしっかりと調査するようにしましょう。近年では書類で残すだけでなく、パソコンやスマートフォンに保存している方も多いです。

資料が揃ったら、各金融機関や関連企業へ問い合わせをします。この時点で手間をかけたくないと思われる方は、相続の専門家に委任することも可能です。

財産調査で失敗しないためにはどうすればいいか

相続の財産調査で失敗しないためには、専門家のアドバイスを受けながら行うことです。個人で調査することも可能ですが、専門的な知識や複雑な手続きが多いため注意しなければなりません。

そのため調査していても財産の見落としがあったり、遺産分割協議が終わった後に財産が出てきたりして、相続人の間で揉めたという事例もあります。

まとめ

財産調査の内容と流れや失敗しない方法をご紹介しました。相続財産を確定させるために財産調査は必要です。

しかし財産調査は専門的な知識が必要で、手間もかかるため、個人で調べるのは非常に大変です。もし相続人だけで行うのが難しい場合、弁護士などの専門家に依頼を検討するとよいでしょう。