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国民年金の死亡一時金を受け取るには?請求手続きや注意点を解説

年金の受給資格が発生したら、受給するための申請が必ず必要です。
死亡一時金の申請ももちろん、申請が必要です。死亡一時金の申請は、受給資格が少し複雑なため受給できないと勘違いされることも多いです。

この記事では、死亡一時金を受け取るための資格や手続き方法を解説していきます。
ご自分に受給資格がある場合は、忘れずに早めの手続きを行いましょう。

死亡一時金とは

死亡一時金は国民年金法に定められた給付の1つです。
遺族に子どもがいなければ遺族基礎年金がありません。
また、故人が国民年金の第1号被保険者なら遺族厚生年金もありません。

遺族基礎年金も遺族厚生年金もない方が老齢年金を受け取らないまま死亡した場合に、死亡一時金を受け取れる可能性があります。
ここでは、死亡一時金を受け取れるケースや金額について詳しく解説していきます。

死亡一時金を受け取れるのは?

死亡一時金を受け取れるケースは少し複雑です。

まず、故人が次のケースに該当している場合に限り受給できます。
・ 国民年金の第1号被保険者であること
・ 国民年金保険料を36カ月以上納めていること
・ 老齢基礎年金・障害基礎年金のいずれも受けないまま死亡したこと

例えば、国民年金の第2被保険者・第3被保険者は死亡一時金の対象外です。
また、故人が老齢基礎年金や障害基礎年金を受けている場合も対象外となります。

次に、受取人である遺族が次のケースには注意が必要です。
・ 遺族基礎年金を受け取れる場合は死亡一時金を受け取れない
・ 寡婦年金の受給対象者の場合は死亡一時金とどちらか一方のみ受給可能

例えば、受取人が配偶者で子ども(18歳になった年度の3月末まで)がいる場合は遺族基礎年金の受給対象のため、死亡一時金の対象外です。

死亡一時金を受け取れる人の優先順位

死亡一時金を受け取れるのは、生計を同じくしていた遺族です。

対象者の中でも優先順位があります。
配偶者→子→父母→孫→祖父母→兄弟姉妹の順で最も優先順位の高い方が受け取れます。

死亡一時金の受給金額
死亡一時金の受給金額は、保険料納付月数に応じて決まっています。
・ 36カ月以上180カ月未満・・・12万円
・ 180カ月以上240カ月未満・・・14万5千円
・ 240カ月以上300カ月未満・・・17万円
・ 300カ月以上360カ月未満・・・22万円
・ 360カ月以上420カ月未満・・・27万円
・ 420カ月以上・・・32万円
なお、付加保険料を36カ月以上納付している場合は、8,500円加算されます。

死亡一時金の受け取り手順

死亡一時金の受給対象であることが分かれば、受け取り手順はシンプルです。
書類を揃えて住所地の市区町村役場の窓口で申請を行い、不備がなければ振り込まれます。

① 必要な書類を揃える
死亡一時金受け取りに必要な書類は次の通りです。
・ 国民年金死亡一時金請求書
・ 故人の年金手帳(令和4年以降は基礎年金番号通知書)
・ 故人との関係がわかる書類(戸籍謄本など)
・ 故人の住民票(除票)
・ 申請者の世帯全員の住民票の写し
・ 申請者の本人確認資料(運転免許証・マイナンバーカードなど)
・ 死亡一時金を受け取る銀行口座の情報(通帳・キャッシュカードなど)
・ 印鑑

申請者が窓口に来られない場合、委任状が必要です。
戸籍謄本や住民票関連は、死後必要な他の手続きでも使う場合があります。
まとめて取得しておくと便利です。

② 死亡一時金受給申請を行う
次のいずれかで申請手続きが行えます。
・ 住所地の市区町村役場の窓口
・ 年金事務所
・ 年金相談センター
郵送では受け付けていない手続きになります。
必ず上記申請場所の窓口にて申請を行ってください。

③ 死亡一時金が振り込まれることを確認
一時金を請求してから振り込まれるまでに1ヵ月~2か月程度の時間がかかります。
忘れずに通帳等で確認をしておきましょう。

死亡一時金受け取り時の注意点

必要書類には個人が管理しているものもあり、探すのに時間がかかる場合があります。
しかし、死亡一時期の申請には期限があるため注意が必要です。
ここでは、死亡一時金受け取り時の注意点をご紹介します。

死亡一時金受け取りの申請期限

死亡一時金受け取りの申請には、請求期限があります。
申請期限は、死亡日の翌日から2年です。
対象者が失踪宣告を受けた人の場合は、審判の確定日から2年です。
必ず、期限内に請求を行うようにしましょう。

故人の年金手帳が見つからない場合

故人の持ち物から年金手帳が見つからない場合があります。
年金手帳が見つからない場合は、提出できないことを記載した理由書が必要です
また、故人の氏名・生年月日がわかる証明書を持参します。

国民年金保険料の免除期間の計算方法

国民年金保険料は、都合により一定期間免除してもらえることがあります。
免除期間も次の割合で納付機関に含めて計算します。

・ 納付額の4分の1を免除・・・免除期間の4分の3が納付機関
・ 納付額の2分の1を免除・・・免除期間の2分の1が納付機関
・ 納付額の4分の3を免除・・・免除期間の4分の1が納付機関

例えば1年間=12カ月、納付額の4分の3を免除してもらった場合、4分の1(3カ月)を納付期間として数えられます。

死亡一時金の請求手続きは早めに

国民年金は、すべての国民を対象に、必要な給付を行い国民の生活を支えるための制度です。
故人が国民年金の第1号被保険者で老齢基礎年金をもらえる対象ではない場合、受給資格に該当しないか確認してみることをおすすめします。
申請の期限まで2年ありますが、受給資格がある場合は早めに手続きを行いましょう。