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心の溝は埋められる?終活・相続対策を前向きに捉えるためにできること

Q.「終活・相続対策についてどんなイメージを持っていますか?」

A1.「終活・相続対策は難しいテーマだと思うけれど、だからといって避けてしまっては問題が解決しないと思うの。確かに死後のことを考えるのは辛いしまだまだ時間はあると思うけど、早めに一つずつ整理することで、もしもの時に私たち家族が混乱せずに済むようになる。あなたの意志が明確になれば、私たちもそれを尊重できるし、あなたが望む通りの人生の終わり方を実現できる。必要に迫られて急いで対策することになるとそれこそ大変だし、あなたの意思を十分に反映できなくなるかもしれないでしょ。それに、家族の大切な思い出を守るためにも、終活・相続対策は重要だと思うよ。」

A2.「終活・相続対策って聞くだけで重たく感じるよ。自分の死後のことを考えるなんて、まだ早すぎると思う。それに、そんなことを考えていると自分がもうすぐ死ぬかのようで、せっかくのいい気分が落ち込む。手続きも複雑そうだし、わざわざそんな面倒なことを自分から今すぐ始める必要を感じない。まだまだ働くつもりだし、資産運用して増やすほうが今は興味があるね。何よりこれからまだ長生きするつもりだから、時間はたくさんあると思っているよ。」

前向きな家族と後ろ向きの当人

これはある50代後半の夫婦に終活・相続対策について、それぞれに質問した時に返ってきた回答です。このように家族側と配偶者(もしくは親)側には、心の溝が出来てしまいがちです。

終活・相続対策を前向きに捉えて積極的に取り組んでほしいと願う家族側の気持ちは以下のようなものがあるでしょう。

家族側の前向きな気持ち

安心したい: 配偶者・親の意志が明確になり、問題が生じないように準備が整っていると安心できます。

混乱を避けたい: 適切な対策がなされていないと、配偶者・親が亡くなった後に混乱や争いが生じる可能性があります。

負担を軽減したい: 終活・相続対策が整っていれば、物理的・精神的な負担を減らすことができます。

愛情の表現: 配偶者・親に対する愛情から、その人が望む通りの人生の終わり方ができるようにしたいと願います。

思い出を大切にしたい: 配偶者・親の死後も、その人の価値観や思い出を大切にしたいと思います。

配偶者・親側の後ろ向きな気持ち

一方、終活・相続対策を後ろ向きに捉えて取り組みを始めずに避けてしまう配偶者・親側の気持ちは以下のようなものがあるでしょう。

死を意識したくない: 自分の死を直視することは困難であり、それを避けるために終活・相続対策を避けることがあります。

手続きが複雑である: 法的な手続きや資産管理など、終活・相続対策は複雑であり、その手間を避けたいと心理が働きます。

家族に負担をかけたくない: 自分の死後のことを家族に話すことは、家族に負担をかけていると感じることがあります。

意志決定が困難: 自分の財産をどのように分けるべきか、あるいはどのような医療を受けたいかなど、具体的な決定を下すのが難しい場合があります。

時間があると思っている: 自分の健康状態が良いときは、終活・相続対策を後回しにすることが多いです。これは、「まだ時間がある」という錯覚から来るものでしょう。

どうすれば心の溝を埋められるか

終活・相続対策について、家族側と配偶者・親側の間に生じる可能性のある心の溝を埋めるためには以下のような手法が有効です。

開かれたコミュニケーション: 終活・相続対策についての話題は避けがちですが、将来のためにも開かれた会話を心掛けることが重要です。それぞれの感情や懸念をざっくばらんに共有し、お互いの立場や気持ちをまずは理解し合うことを目標にしましょう。

専門家の介入: 法律家やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、具体的なステップや選択肢を理解しやすくなります。専門家は感情的な部分を取り除いて冷静に助言を提供することができます。

小さなステップから始める: 終活・相続対策は大きな課題であるため、小さなステップから始めてみましょう。例えば、まずは家の中の片付けから始めるなどです。

教育と情報提供: 終活・相続対策に関する知識を家族間で共有することも重要です。適切な情報を共通認識として持つことで、配偶者や親も終活・相続対策を特別なことと身構えず前向きに捉えやすくなります。

感謝と尊重の表現: 配偶者や親の意見を尊重し、その取り組みを感謝することで、より前向きな気持ちになります。ほんの少しでも取り組みを進めてくれている素振りを見かけたら「ありがとう」としっかり感謝の気持ちを伝えましょう。

このように、終活・相続対策は難しいテーマですが、お互いの意見を尊重し合うことでスムーズに進めることが可能になります。