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人生の集大成を後世に残す-写真や音楽、趣味のコレクションなどあなたの生きた証を後世に伝えよう

日本人の平均寿命は男性で81歳、女性で86歳といわれています。ということは40歳代に入ると人は人生の折り返し点に到達するわけです。
人生の折り返し点に立ったとき、ふと「自分の人生って何だったんだろう?」と誰しも思います。人は個性を発揮して生きる存在ですから、一人ひとりの生きた証とは「いい仕事をした」「子どもを立派に育てた」だけではないはずです。あなたが生きた証は何ですか?あなたがこの世界を旅立つとき、残したいものは何ですか?ここではあなたが人生を終えた後に残したい、誰かに伝えたいという願いをほんの少しお手伝いします。 

人生の集大成として残したいもの

人生の折り返し点に立ったとき、あなたはこれまで生きた証、大切にしたものや夢中になったものをたくさん手にしています。
資産、財産は法的に相続人の手に渡りますが、自分の個性を反映したものは意識的に残さなければ、いずれ消えてしまいます。あなたの個性はあなたがこの世界を離れても、失われるべきではありません。親を理解したい子どものために、何よりも自分自身のために、今この時手にしている大切なものを整理しておきましょう。 

自作小説を残そう

趣味で小説を書いている人は意外に多いものです。未完であっても短編であってもあなたがこの世界で見聞きしたこと、考えたこと、夢想したことがたくさん詰まっています。あなた自身の人生の鏡といってもいいでしょう。一篇の短い文章が残された家族の胸に響き、あなたの人生を深く理解する一助となるに違いありません。 

論文~人生の研究成果を残す

本職の研究者でなくとも、普段から疑問に思い、答えに辿り着くまで努力したテーマがあるかと思われます。人生をかけて追い求めたテーマはあなたが世界に発信すべき研究成果であり、後世に残す価値があるものです。あなたが書いた論文を目にした人が、自分の研究の参考資料として活用するかもしれません。 

自分史~生きた証を記す

エンディングノートは資産状況を書くだけでなく、自分史を記すページも用意されています。自分史を書くのは、エンディングノートだけとは限りません。
手書きのテキストやWeb上のブログなどもよいでしょう。写真を挿入したり、地図を添付したりすると、ビジュアル的にも自分を振り返る手立てになります。自分史は自分が住んでいた所、本籍地や結婚についても記すので、相続の資料となる場合があります。 

秘伝のレシピ、伝統の味

自分で考案したレシピや各家庭に代々伝わる味は大切に守り伝えていきましょう。細かい分量や素材の収穫時期、下処理の方法など、あなたでしか知り得ない情報があるはずです。いつ誰が目にしても、再現できるようにレシピを残しておく必要があります。文字や写真、動画で残しておくと、後で必ず役に立つ日がくるでしょう。 

書画・絵画~自己表現こそ残すべきもの

書画・絵画はその人の個性を活かした独自の書体や画風が存在し、他者は完全に真似ることができません。「ただ好きで書いているだけだから後に残す必要はない」と考える人もいます。しかしあなたの書いた書や絵はこの世に二つとして同じものがないのです。あなたの肉筆を目にした遺族は、そこにあなたの生き様を見るはずです。落款、署名は必ず入れておきましょう。裏面には制作した年月日を書き添えます。 

生きた世界をうつす写真・映像

スマートフォン内蔵カメラの普及により、誰も気軽に写真を残す時代となりました。しかし写真愛好家の多くは一眼レフや高画質カメラにこだわり、その人にしか撮れない写真を撮影しています。同じ風景を撮影しても、カメラを持つ人の個性や才能によって全く違った作品になるものです。あなたが生きた世界を切り取った写真や映像は、後の世に残す十分な価値を持っています。 

懐かしい音が蘇る、作曲・演奏音源

自分で作詞作曲した音楽は譜面で残すのもよいですが、できれば自分で演奏したもの、自分で歌ったものを音源として保存しておくことをおすすめします。音楽データとしてパソコン内に保存したり、演奏自体を動画撮影したりしておくと、あなたの声はいつまでも残り、ある日それを耳にした家族は生前と変わらない、瑞々しいあなたの音楽に胸を打たれるでしょう。 

人生を集めたコレクション

本や漫画、好きだった映画のパンフレットなど、夢中になって集め、大切にしてきたコレクションはあなたの人生の集大成です。なかには一緒にお棺に入れてほしいと、遺言するほど愛着のある物品もあるでしょう。しかし全てを持って旅立つことはできません。自分が好きだったもの、愛したものを目にすると、残された家族が心癒される場面もあるはずです。あなたが人生をかけて集めたコレクションは、あなたが生きた証そのものですから。 

人生の集大成を残す方法~ポイントは生前整理とエンディングノート

資産価値がなくとも自分の個性を反映させた著作物や音源、コレクションは後の世に残すに値する十分な価値を持っています。自分のライフスタイルに合った方法を選択し、生きた証を残しましょう。 

家族、親しい人に残す

愛する家族にはあなたの生きた証を残してください。陶芸作品を残すといつまでも家族が使用してくれるかもしれません。親族や趣味の合ったお仲間に譲り渡すのもよい方法です。生前整理をしたあと、残すもの、残す人をエンディングノートに記載して所在を明らかにしておきます。 

メモリアルボックス、トランクルームを利用する

大切なコレクションはメモリアルボックスを用意し、整理した上で保管しておきます。量が多い場合はトランクルームを利用しましょう。トランクルームは相続問題にも影響するので、所在と物品名をエンディングノートで明確にしてください。 

データ化し、オンライン上に残す

パソコン内に保存した文書・画像・映像はオンライン上のクラウドサービスなどを利用して保存しましょう。書画・絵画など制作物も画像撮影してデータ化し、オンライン上にアップしておくとよいですね。アカウントは家族と共有し、サービス名、パスワードをエンディングノートに記しておきます。
趣味で活動している間は複数のクラウドサービスを利用している人が多いですが、パソコンデータも生前整理をして残したいものを厳選し、1つのサービスに限定して保存することをおすすめします。 

まとめ

自分の趣味や個性を反映した著作物、制作物は資産価値があるないにかかわらず、人生を終えた後に残すべき大切なものです。家族や知人に譲ったり、オンライン上に保存したりしてあなたの人生の集大成を残してください。いずれにしても全ては残せません。本当に残したいものを考え、生前整理をした上で詳細をエンディングノートに記しておきましょう。