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価値はどれくらいあるのか?~相続不動産の価値算定

相続不動産の価値算定とは

不動産を財産として引き継ぐ場合「相続税」が発生する可能性があります。

また価値が高い不動産は1人で相続した場合、

他の相続人との間で不公平が生じるケースも多いです。

複数人で一緒に相続することもありますが、そのときに重要となるのが価値算定です。

相続不動産の価値算定は「相続不動産の価値を算出するための手法」です。

「できることなら、穏便に相続を進めたい」そんな方も多いのではないでしょうか。

そのためにもきちんと知っておくべきことと言えます。

では、いったいどのように価値算定をすれば良いのでしょうか?

今回は初心者の方向けにできるだけ簡単にお伝えしていけたらと思います。

相続不動産の価値算定を初心者が進めるための手順3ステップ

不動産は「土地」と「建物」の2つに分けられ、それぞれ算定式が異なります。

留意点として、概算金額は素人でも可能ですが実際に算定する場合は

専門家へご相談されることをおすすめします。それぞれ解説をしていきます。

~土地の価値算定~

土地の価値算定は「正面路線価×奥行価格補正率×面積」の式を使います。

手順は3ステップです。

ステップ①正面路線価を調べる

「道路に面している一般的な宅地1平方メートルあたりの価格」のことを正面路線価といい、国税庁のホームページで確認ができます。都心ではこの数字(価値)が大きくなり、

田舎に行くほど数字(価値)が小さくなります。

↓国税庁ホームページ 正面路線価図

https://www.rosenka.nta.go.jp/

市街地から離れている場所であると路線価が載っていないことがありますが、その場合は固定資産税評価額に一定の倍率を乗じた価格を使用します。この倍率は同じく国税庁のホームページ内(トップページ→各都道府県の選択→家屋の固定資産税評価額に乗ずる倍率)

に記載されています。

固定資産税評価額は納税通知書で確かめることができます。

ステップ②奥行価格補正率など各種補正割合を調べる

「同じ広さの土地でも形状により使いやすさが変わるのでその点を考慮しましょう」という考え方に基づいてできた補正割合のことを奥行価格補正率(がけ地補正・不整形地補正・奥行き長大補正などがある)と言い最大で20%の補正(減額)をかけることができます。

土地の使いやすさが変わるという例としては以下のような場合です。

・土地が四角ではない形をしている(奥行価格補正率) 

・土地の一部ががけになっている(がけ地補正)

・袋地や三角地になっている(不整形地補正)

・道路からの距離が長い(奥行き長大補正)    など

このような土地を平等に判断するために補正割合が重要となります。

こちらも国税庁ホームページに掲載されています。

↓国税庁ホームページ 各種補正割合

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/07.htm

ステップ③面積を調べて計算する

面積に関して詳しい説明は必要ないかもしれませんが、

例えば同じ価値を持つ場所があるとすると

面積が広いほど価値が高くなり、面積が狭いほど価値は低くなります。

以上、ステップ①から③を踏まえて土地の価値算定をしてみましょう。

~建物の価値算定~

建物の価値算定は固定資産税評価額×1.0つまり固定資産税評価額と同じ値となります。

建物の場合は土地の価値算定より簡単に求めることができます。

前述しているように、固定資産税評価額は納税通知書にて確かめることができます。

相続不動産の価値算定で失敗しないためのポイント3選

次に相続不動産の価値算定で失敗しないためのポイントを3つご紹介します。

ポイント①「計算はあくまでも目安とし、専門家に相談をする」

価値算定は簡単そうに見えて案外、難しいものです。

素人が全てを計算しようとすると減額できる部分を見逃してしまうこともあります。

目安として計算をしておき、専門家に相談して正確な価値を算定してもらうことをおすすめします。

ポイント②「各種補正が適用されるのは正面路線価地域のみ」 

各種補正を適用できるのは正面路線価が付されている地域のみとなります。

これは、固定資産税評価額がすでに各種補正を適用した評価額となっているためです。

正面路線価は田舎の方には付されていないことがあり確認が必要です。

ポイント③「正面路線価は最新のものを使用する」

正面路線価の発表は毎年7月1日に行われます。

そのため、相続開始日が1月1日から6月30日の場合はその年のものが発表されていないため、土地の評価をすることができません。前年度のものだと算定額がずれる可能性があるため、正面路線価が発表されるまでは相続税申告を待っておくことがおすすめです。

まとめ

以上、相続不動産の価値算定について説明・解説してきました。

「相続不動産の価値算定」は不動産の相続に欠かせないものです。

難しい内容ではありますが、今回は初心者の方へ向けたステップとポイントをまとめています。少しでもお力になれれば幸いです。