相続手続きを行わなければいけない財産は、預貯金や不動産だけではありません。
株などの証券も、相続の手続きを行わなければいけない財産のひとつです。
証券の相続を考えたときに「口座は同じ証券会社の口座を持っていないと相続できないのか」と、疑問に思ったことはありませんか?
本記事では、株などの証券を相続する際に同じ証券会社の口座が必要なのか、また相続の手順や注意点について解説します。
株などの証券相続とは
株などの証券をお持ちの方が亡くなった場合、預貯金や不動産などの財産と同様に株などの証券も相続を行う必要があります。
一般的に株などの取引は、証券会社を介して行われていることはご存知ですか?
そのため、所有している証券は証券会社の口座内で管理されています。
株などの証券相続の場合、これら被相続人が所有する証券を相続人の証券口座に移管しなければいけません。
同じ証券会社の口座でないと相続できない?
株式などの証券を相続する際、証券を移管するために相続人も証券口座を準備する必要があります。
相続のために口座を準備する際、ひとつの疑問が出てきます。
それは、同じ証券会社の口座を準備する必要があるのかということ。
結論として、原則的には同じ証券会社の口座が必要です。
他の証券会社でも移管可能な証券会社はありますが、同じ証券会社の口座でなければ手続きができない証券会社もあります。
手続きを行う前に確認をする必要がありますが、特別な理由がなければ被相続人と同じ証券会社の口座を開設するようにしましょう。
株などの証券を相続するために必要な手続き
証券を相続するには、手続きが必要です。
ここでは、下記4つの手続きの具体的な内容について詳しく解説します。
①証券会社への連絡
②必要書類の準備
③口座の開設
④証券の移管
手続き①証券会社への連絡
初めに被相続人が亡くなったことを、証券会社に届け出る必要があります。
電話、もしくは取引支店に来店して届け出を行いましょう。
口座番号がわかる場合は、届け出の際に伝えることで確認がスムーズになります。
手続き②必要書類の準備
相続の手続きには、下記の書類を準備する必要があります。
・被相続人の出生から死亡までの全てが記載された戸籍謄本
・相続人の戸籍謄本
・相続人の印鑑証明書
・口座開設者死亡届出書
・相続上場株式等移管依頼書
また、これら以外にも相続のケースによって下記の書類が必要です。
その他にも、各証券会社で必要な書類がある場合は事前に請求しておきましょう。
手続き③口座の開設
相続を行うための証券口座がない場合は、口座を開設する必要があります。
証券会社へ連絡を行った際に申請書を貰うなどの、口座開設の準備をしておきましょう。
手続き④証券の移管
相続人の証券口座が開設できたら、実際に被相続人が所有している証券を相続人の口座に移管します。
株などの証券を相続する際の注意点
株などの証券の相続は、同じ証券会社の口座を開設することでスムーズに行うことができます。
しかし、注意しなければいけないこともあります。
それは、口座が複数存在するかもしれないということ。
証券口座は、複数の証券会社で開設することができます。
そのため、人によっては口座を複数持っている可能性があります。
相続漏れはないように、かならず被相続人が持っているすべての口座を把握しておきましょう。
証券口座は同じ証券会社の口座を開設しよう
ここまで、証券相続に関する手続きや注意点について解説しました。
相続を行う口座の指定は、証券会社によって異なります。
別の会社の口座でも良い証券会社もありますが、同じでなくてはならない会社もあります。
特別な理由がない限り、相続を行う口座は被相続人と同じ証券会社の口座を開設するようにしましょう。