健康なうちに資産を継承しておきたい。
家族信託を検討しているけどどうしたらいいのかわからない。
このような悩みを解決する記事になっています。
家族信託で失敗したくない方は最後まで読んでみてください。
家族信託の検討とはどんなものか
家族信託とは委託者(=財産の保有者)の急な事故や病気に備え、保有する財産を親族などの第三者に委託し管理、運用してもらう方法のことです。
もし委託者の判断能力が無くなってしまった場合、財産の管理が非常に困難になります。
そのため判断能力があるうちに財産の管理を任せることが多くなってきました。
家族信託は財産の名義を受託者(=財産の管理者)に変更することにより広い裁量権を与えられることが特徴になっています。
また家族が受託者になった場合は、高額な報酬が発生しないメリットもあります。
家族信託の検討を初心者が進めるための手順とは
家族信託の検討を初心者が進めるための手順は以下の通りです。
1. 家族信託の目的
2. 信託財産の調査と決定
3. 家族信託の内容と役割分担
4. 各種書類作成
5. 不動産等の名義変更
順を追って解説していきます。
家族信託の目的
まずはなぜ家族信託を行うのか目的をはっきりさせましょう。
目的が明確でないと後から財産の管理においてトラブルが発生することがあるからです。
所有する財産や家族構成、受託者の健康状態により目的は様々ですが、詳細までしっかり決めておくことが重要です。
例えば「認知症が心配になってきたので判断能力が低下するまえに子供に財産を管理してもらいたい」などです。
信託財産の調査と決定
目的が決まったら、財産の調査と受託内容を決めておきます。
財産は現金、不動産、株式が一般的です。
近年はオンライン上で資産管理ができるようになったため、株式や仮想通貨などの調査漏れがないか気をつけておきましょう。
家族信託の内容と役割分担
受託内容は財産を管理する『受託者』と財産の利益を受ける『受益者』を決めておきます。
受託者や受益者が諸事情で管理や利益が受け取れなくなる場合を想定して、第2の受託者や受益者の選定も可能です。
また財産の管理が広範囲になる場合は受託者を管理する受託管理人を選定しておくのもいいでしょう。
その後、医療費の支払い方法や株式や不動産の運用方法等も決めておきます。
各種書類作成
家族信託の内容と役割分担が決まれば、内容に基づき書類を作成します。
作成するのは信託契約書になりますが書式は様々です。
ひな形自体はネットで出回っているため、作成自体はどなたでも可能ですが専門知識が必要で難易度も高いので専門家に依頼するのもひとつの方法です。
作成した信託契約書は、法的な効力が低いので公正証書で作成しましょう。
公正証書は公証人役場で作成可能です。
不動産等の名義変更
契約内容に不動産がある場合は名義変更が必要になります。
名義変更は担当所轄の法務局で行いますが、固定資産評価証明書など集める書類が多く専門知識も必要なので司法書士に依頼するのが無難です。
家族信託の検討で失敗しないためにはどうすればいいか
家族信託の検討で失敗するのは書類の作成段階で無効になる場合が考えられます。
信託契約書作成は難易度が高く、少しでも内容に問題があれば全てが無効になるからです。
契約書に効力がなければ親族同士のトラブルに繋がるため、作成は慎重に行う必要があります。
そのため作成には弁護士や司法書士などに依頼するのが最も無難だとされています。
信託契約書作成後の公正証書の作成、不動産名義変更など課題が山積みなのも理由のひとつです。
家族信託を検討する場合は、専門家に一度相談してみることがいいでしょう。
まとめ
今回は家族信託の検討について解説しました。
家族信託とは委託者の判断能力があるうちに、保有する財産を親族などの第三者に委託し管理、運用してもらう方法のことです。
家族信託の検討を初心者が進めるための手順としては、
1.家族信託の目的
2.信託財産の調査と決定
3.家族信託の内容と役割分担
4.各種書類作成
5.不動産等の名義変更
の順で行うことをおすすめします。
また家族信託の検討で失敗しないためには、信託契約書作成を慎重に行ってください。
契約書に不備があるとすべて無効になるからです。
家族信託を親族だけで行うのは時間や労力を考えると非効率な場合が多くなります。
心配なら専門家に相談してみるのが問題の早期解決になるでしょう。