不動産の売却を検討する際に気になるのが、「いつ売却すれば良いのか」ということではないでしょうか。
相続する財産のなかでも、とくにトラブルが起こりやすいのが不動産です。
できるだけ損をしない、かつ手間をかけずに売却したいと考えている方も多いでしょう。
本記事では、不動産売却の検討はいつ行うべきか、タイミングごとのメリットや注意点について解説します。
不動産の売却は相続前と後どちらが良い?
不動産の売却を行うタイミングには、大きく分けて「相続前」と「相続後」があります。
結論からお伝えすると、どちらがより適切な売却タイミングか、一概には決められません。
なぜならそれぞれにメリットがあり、一人ひとりの立場が違うからです。
まずは、タイミングごとのメリットについて見ていきましょう。
相続前に不動産売却を行うメリット
相続前の不動産売却のメリットは、主に下記の2つです。
①遺産分割のトラブルを防げる
②マイホーム特別控除が適用できる場合がある
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
メリット①遺産分割のトラブルを防げる
相続人が複数人いると、遺産分割を行う必要があります。
不動産は公平に分割することが難しく、遺産分割で相続人同士のトラブルが生じる可能性があります。
事前に不動産を売却して現金化することで、遺産分割のトラブルを防ぐことができるでしょう。
メリット②マイホーム特別控除が適用できる場合がある
自宅を売却する場合、マイホーム特別控除が適用される可能性があります。
不動産を売却すると、その利益に対して税金を支払わなければいけません。
しかし、マイホーム特別控除が適用された場合、売却利益から最大3000万円の控除を受けることができます。
相続後に不動産売却を行うメリット
相続後の不動産売却のメリットは、主に下記の2つです。
①相続税の取得費加算を利用できる
②空き家の特別控除が適用できる場合がある
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
メリット①相続税の取得費加算を利用できる
相続税の取得費加算とは、不動産を売却した利益から税金を支払う際に、相続税額分を取得費に加算できるという特例です。
取得費に加算されると所得が下がるため、支払う税金が減ります。
相続税の取得費加算を利用するためには、相続発生から3年10ヶ月以内に売却を行わなければいけません。
メリット②空き家の特別控除が適用できる場合がある
空き家の途別控除とは、空き家となった被相続人の不動産を売却する際に、最大3000万円の控除を受けられる特例です。
耐震性の確保や期限などはありますが、控除を受けることで節税することができるでしょう。
不動産売却を検討するうえでの注意点
相続前と相続後どちらのタイミングでも、不動産の売却をするにあたって注意しなければいけないことがあります。
それは、下記の2点です。
①売却には時間がかかる
②査定金額は不動産会社によって違う
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
注意点①売却には時間がかかる
不動産の売却は、順調に進んでも数か月かかります。
場合によっては、半年から1年たっても売れないということもあるでしょう。
節税対策などを行う場合は期限もあることから、余裕のあるスケジュールで不動産売却を行う必要があります。
注意点②査定金額は不動産会社によって違う
不動産を売却する際に、不動産会社に依頼して査定を行います。
不動産の査定は会社によって大きく差が出る可能性があるため、1社だけでは正しい査定額がわかりません。
できるだけ高く売れるよう、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
不動産売却はメリットや注意点をおさえて検討しよう
不動産の売却は、相続前と相続後のタイミングそれぞれに異なるメリットがあります。
どちらがより被相続人、相続人に有用かを考えて、売却するタイミングを検討しましょう。
どちらのタイミングで売却するにしても、不動産の売却には時間がかかります。
十分な準備や対策が必要なため、早めの検討を心がけましょう。