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スマホ等のパスワードを共有・共有されていなかった場合の対処法

家族の誰かが亡くなったときに備えて、スマホやパソコンなど、電子端末のパスワードを共有している方は、それほど多くないのではないでしょうか。 

電子端末のパスワードがわからないまま、家族が亡くなってしまうと、デジタル遺産に関するトラブルが発生する可能性があります。デジタル遺産とは、ネット銀行・証券の預金残高やFX、仮想通貨などの金融資産といった、故人がデジタル形式で残した財産のこと。 

パスワードが共有されていないと、デジタル遺産を正確に把握できず、相続手続きが終わったあとに、ネット銀行の預金やFXの損失などが見つかったり、利用していないのにネットフリックスのようなサブスクリプションサービスを払い続けていたりすることがあります。 

このようなトラブルを避けるためにも、電子端末のパスワードを家族と共有しておくことは大切です。そこで、この記事では、パスワードの共有方法と、共有されていなかった場合の対処法を紹介していきます。 

パスワードなどのデジタル遺産はエンディングノートにまとめる

電子端末のパスワードはエンディングノートにまとめておくのがおすすめです。 

電子端末のパスワードを共有しないまま、亡くなってしまうと、遺族に迷惑がかかる可能性があります。しかし、家族とはいえ、スマホやパソコンのパスワードを教えることに抵抗がある方は多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのがエンディングノートです。 

エンディングノートは、万が一に備えて、自分の死後に関する希望を記したノート。エンディングノートにスマホやパソコンをはじめ、各種ネットサービスやアカウントのIDとパスワードを一覧にして記しておくと、デジタル遺産をスムーズに引き継げます。一覧にまとめる際に、不要なアカウントやサービスは、解約しておくのもおすすめです。 

ただし、エンディングノートとして残すと、盗難や漏洩のリスクがあります。エンディングノートの保管場所は、慎重に決めるようにしてください。 

スマホなどのパスワードが共有されていなかった場合の対処法

故人の電子端末のパスワードが共有されなかった場合は、以下の方法で解決できる場合があります。 

1. 故人が使っていそうなパスワードを探す 
2. デジタル遺品サポートサービスに依頼 
3. Apple端末なら故人アカウントへのアクセス申請 

それぞれ解説していきます。 

故人が使っていそうなパスワードを探す 

まず、故人が使っていそうなパスワードを探しましょう。エンディングノートや日記、手帳、契約書類などにメモしている可能性があるため、それらをご確認ください。 

探してもパスワードが見つからなかった場合は、パスワードを推測する必要があります。故人や家族の誕生日、結婚記念日などといった、自分に関わりがあって、忘れにくい数字にしていることが多いようです。また、「1234」「0000」といったパスワードを使用する人も少なくありません。 

機種によっては、誤入力を繰り返すとデータが消去されることもあるため、注意が必要です。入力前に、何回入力しても大丈夫なのか、確認しておきましょう。 

デジタル遺品サポートサービスに依頼

どうしてもパスワードがわからない場合は、デジタル遺品サポートサービスで解決できることもあります。 

デジタル遺品サポートサービスは、業者がパスワードのわからないスマホやパソコンのパスワード解析やロック解除などを行うサービスです。パスワードがわからない場合や、電子端末・データの取り扱いに自信のない方には、1つの選択肢となります。 

ただし、費用が高額となるケースがあるのが難点です。また、必ずパスワードを突破できるかはわからない、ということも認識しておきましょう。 

Apple端末なら、故人アカウントへのアクセス申請

Appleでは、故人のApple IDやiCloud上の保管データへのアクセスが申請できる仕組みを用意しています。 

Apple端末で「故人アカウント管理連絡先」を設定できるようになっており、指定した人に対し、データにアクセスできるアクセスキーが送られるという仕組みです。Apple端末の持ち主が亡くなったときは、連絡先に指定された人が、アクセスキーと故人の死亡証明書を提出。Appleで申請内容を審査した後、アクセスが認められます。 

アクセスできるデータはiCloud上にある写真やメモ、メール、カレンダー、保管されているメッセージなどです。キーチェーンに保管されているIDやパスワード、Apple IDでの支払情報など、対象外となるデータもあるため、ご注意ください。 

生前からデジタル終活を

故人のスマホなどの電子端末のパスワード問題について紹介しました。 

故人の電子端末のパスワードが共有されていないと、遺された家族がデジタル遺産の把握が困難になってしまいます。デジタル遺品サポートサービスで解決することもありますが、高額な費用が必要です。 

電子端末のパスワードをはじめとする、デジタル遺産は、事前に信頼できる家族に共有しておく、エンディングノートを書き残しておく、などをしておくと、デジタル遺産に関するトラブルを減らせます。 

いつ誰が亡くなってしまうかわからないため、この機会に、デジタル遺産について家族で話し合っておきましょう。