厳選 厳選

「相続」と「生前贈与」の違いを理解し、生前贈与を活用して相続トラブルと税金対策に成功する方法

「相続はイメージが湧くけど生前贈与はいまいちわからない」

このような人は多いのではないでしょうか。

相続が「亡くなった後の遺産の譲渡」であるのに対し、生前贈与は「存命中の財産の譲渡」です。

生前贈与を活用できれば相続時のトラブル回避、相続税の節税にもなります。

本記事では生前贈与の活用方法、利用時の注意点、手順について解説します。

いざという時のために相続・生前贈与の知識を増やしておきたい人はぜひ最後までお読みください。

生前贈与とは

生前贈与とは贈与者が存命のうちに、自分の意思で財産を特定の相手(受贈者)に譲渡する手続きです。

贈与者の死亡後に行われる相続と比較して、生前贈与には以下のようなメリットがあります。

・相続を巡ったトラブルを防げる

・贈与者の意思を反映しやすい

・基礎控除(110万円)以下にすることで節税になる

・いつでも、誰でにも贈与できる

ただし生前贈与は仕組みや節税方法を正しく理解しておかなければ、贈与税の課税によって相続よりも損をすることがあります。

関連するトピック:生前贈与と相続では税率が違う

生前贈与で利用できる節税方法

生前贈与を受ける受贈者は、その金額に応じて贈与税の支払いが必要です。

しかし贈与税は相続税よりも高く設定されているため、生前贈与が受贈者にとってより大きな負担となることがあります。

このような事態を避けるために、贈与税の節税方法を知っておくことが重要です。

以下では生前贈与の際に使える節税方法を紹介します。

1.暦年贈与

暦年贈与は1年間に贈与する金額を贈与税の基礎控除である110万円以下にすることで、贈与税の支払いを回避する方法です。

特別贈与財産の課税対象に、1,000万円を贈与する場合の課税額を考えます。

一度に全額を渡すケースの贈与税は以下の通りです。

(1,000万円 – 110万円(基礎控除)) × 30% – 90万円(控除)=177万円

一方で毎年100万円ずつを10年間かけて合計1,000万円を贈与するケースでは、毎年の贈与額が110万円以下のため贈与税の対象になりません。

暦年贈与は贈与額が大きい場合、時間はかかりますが大きい節税効果を得られます。

3.相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、生前贈与にかかる贈与税の支払いを相続時にまとめる方法です。

相続時に税金の支払いをまとめることで現在の負担を回避できるのがメリットです。

相続税に加算される贈与税の参照価格となるのは贈与時の価格です。

そのため価値の上昇が見込める財産を早めに贈与しておくことで、相続時との差分を節税できます。

相続時精算課税制度では最大2,500万円と非常に大きな特別控除が受けられます。

ただし一度、相続時精算課税制度を利用すると、同じ贈与者からの贈与について基礎控除が適用できないので注意しましょう。

また暦年贈与と違い、相続時精算課税制度の利用には税務署への届出が必要です。

関連するトピック:直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税、直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税、夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除(おしどり贈与)

生前贈与をする時の注意点5つ

生前贈与を行う時の注意点を5つ紹介します。

紹介する点が理解できていないとトラブルや税の負担を回避するための生前贈与が、かえってトラブルの原因となることがあります。

生前贈与を行う際に注意するのが次の5つです。

1.暦年贈与の否認

2.遺留分を残して贈与する

3.特別受益を考慮する

4.贈与に使う口座は受贈者が管理する

5.死亡から3年以内の生前贈与は相続税に加算される

1.暦年贈与の否認

暦年贈与は贈与税の基礎控除を利用し、数年間にわけて生前贈与を行う方法です。

この暦年贈与ですが、贈与の内容によっては「定期贈与」とみなされる場合があります。

定期贈与とみなされると、数年間にわけて贈与をしていても一度に贈与した時と同じ贈与税が課税されます。

定期贈与とみなされないためには、贈与のたびに書面を作成する、贈与の日付をばらばらにするなどの対策があります。

2.遺留分を残して贈与する

3.特別受益を考慮する

4.贈与に使う口座は受贈者が管理する

5.死亡から3年以内の生前贈与は相続税に加算される

生前贈与の手順

「これから初めて生前贈与をする」「生前贈与の手順を知っておきたい」という人もいるのではないでしょうか。

生前贈与は以下の4つのステップで行われます。

1.受贈者、贈与額(贈与物)を決める

2.受贈者と話し、課税方法を決める

3.贈与契約書を作成し、財産を移動する

4.必要に応じて期限内に贈与税を申告する

生前贈与が相続時の負担を減らす

生前贈与は贈与者の意志に反した相続、遺産を巡ったトラブルを防ぐことができます。

ただしそのためには相続との違いや正しい節税方法、注意点を知っておくことが重要です。

生前贈与を上手に活用することで、子や孫などに早いうちから財産を譲ることができ、経済的な手助けになります。

いざという時に大切な人に負担をかけないためにも相続とあわせて生前贈与についても検討してみてはいかがでしょうか。