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親が亡くなったら大変!親の財産が把握できていないときの対策方法についての包括的かつ詳細な解説

親の財産がいくらあるのか、どこにあるのかを把握している人は少ないのではないでしょうか。いくら親子であっても、財産の有無やどのくらいあるのかなどは聞きづらいもの。ですが、親の財産を把握できていないと、相続の際に困ったことになるかもしれません。親が元気なうちに、財産について話し合っておくのがおすすめです。

そこで本記事では、親の財産がわからない場合の対処法を紹介します。

親の財産が分からないとどう困るか

親の財産がわからないと、特に相続の際に困ります。親が亡くなったら、財産は遺産分割を行い、配偶者や子どもといった法定相続人で分けていきます。遺産が一定以上の場合は、相続税の負担が必要です。その場合は、亡くなってから10か月以内に相続税の申告と納税が必要です。

その際に、親の財産を分かっていないと、親が亡くなったあとに、保有していた資産をすべて調査して、分割方法を決める必要があり、多くの時間や手間がかかってしまいます。相続税の申告を誤った額で申告してしまったり、申告期限を過ぎてしまったりする恐れもあります。その場合は、過少申告加算税や無申告加算税、延滞税などの支払いが必要です。

また、相続する財産はプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。マイナスの財産のほうが多い場合は、相続放棄の手続きを取ることが一般的です。相続放棄は、相続が開始したことを知ってから3か月以内に行う必要があります。期限をすぎると相続放棄ができなくなるため、注意が必要です。(※調査に時間がかかる場合は、家庭裁判所に相続放棄申述期間の延長手続きを行うことが認められています)

親の財産の把握方法

親の財産は、可能な限り生前に把握しておくことが大切です。亡くなったあとは、財産の調査に手間や時間がかかり、抜け漏れが発生する恐れもあります。

把握するには、下記の4つの方法がおすすめです。
それぞれ紹介します。

直接聞く

可能であれば、親に直接聞くことをおすすめします。親と離れて暮らしている方は、お盆や正月といった長期休みでの帰省を利用し、親の財産について聞いてみましょう。

その際に遺産の分け方についても家族で相談しておくと、相続時に遺産分割を巡ってトラブルになる心配を減らせます。

話す場合は、少しずつ聞き出すのがおすすめです。突然言われても忘れている財産があるかもしれませんし、マイナスの財産は言いづらいかもしれません。何回かに分けて、少しずつ話を聞き出していき、少なくともどんな財産がどこにあるのか、把握できるようにしましょう。

財産目録を書いてもらう

親と話す機会を作れなかったり、親が直接話すのに抵抗があったりする場合は、財産目録を書いてもらうようにお願いするのもおすすめです。

財産目録は、ある時点で保有するプラスの財産とマイナスの財産をすべて洗い出し、一覧にしたもの。相続人は財産が一覧でわかるので、相続にかかわる手続きの際、財産の把握に役立ちます。

マイナスの財産についても記載するため、相続放棄の判断もしやすくなります。

遺言書を書いてもらう

財産目録とあわせて遺言書を書いてもらうのもいいでしょう。子どもに財産について見せる必要がなく、遺産分割方法も指定できます。

ただし、遺言書は法的に有効となるため、記載の要件が細かく決められています。親が1人で遺言書を作成するのは大変かもしれません。大変な場合は、弁護士や司法書士といった専門家のサポートを受けるように、アドバイスすることをご検討ください。

相続財産調査を依頼する

相続財産調査とは、相続が発生した際に故人のプラスの財産とマイナスの財産を含めた、すべての遺産を調査することです。

個人で相続財産を調査する場合、下記の手順で行います。

1. 故人の自宅で相続財産の資料(預金通帳、権利書、借用書など)を探す
2. 役所や金融機関で必要になる必要書類(被相続人や相続人らのの戸籍謄本など)を揃える
3. 各機関(銀行や保険会社など)へ調査を依頼する

保有している財産が多岐にわたるほど、調査の手間が増えていきます。

相続財産調査は、個人で行うことが可能ですが、漏れがないように調査していくのは大変です。保有財産が多ければ多いほど、調査が長くなり、途中で断念してしまう人も少なくありません。

そのため、保有している財産が多い場合は、弁護士や司法書士、行政書士、税理士といった専門家に依頼したほうが手間を省けます。相続財産が漏れる心配も少ないので、専門家への依頼も検討するのがおすすめです。

まとめ

親の財産がわからない場合の対処法について紹介しました。親の財産を把握できていないと、相続の際に財産をすべて調べる時間や手間がかかってしまいます。

可能であれば、親が元気な間に、直接財産や相続について話をしておくのがおすすめ。どんな財産があるのか把握できますし、相続の際に身内でトラブルになる心配も減らせます。

親と離れて暮らしている方は、次のお盆や正月などの帰省の際に、話をしてみてはいかがでしょうか。