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終活に財産目録の作成は必須!作成方法を分かりやすく解説

財産目録とは

財産目録とは個人の財産を全て一覧にして記したものです。相続問題が生じたとき、遺産分割協議や相続税の申告をするときに必要となります。終活においては現時点での自分の資産、財産を確認し、今後の処理を検討するための重要な資料となります。

基本的に遺言書と合わせて作成されることが多く、エンディングノートでは必ず記入する項目です。財産目録には相続の対象となる財産の全てを記入します。預貯金、土地、家、不動産、自動車、美術品、骨とう品、宝石、貴金属、有価証券、投資信託、ゴルフ会員券など、これらは全て相続の対象となるので、洩れなく記載しましょう。それぞれの評価額も併せて記載しておきます。借金、住宅ローン、未払いの税金などは負の遺産として、遺族に相続されるので、間違いのないよう財産目録に記入します。

財産目録は相続のためだけに作成するわけではありません。現在の資産状況を正しく把握できるので、今後の人生設計を立てるのに役立ちます。元気なあいだ、自分に判断力があるうちに財産目録を作成すると、不要な財産を処分したり、生前贈与を考えたりと、身辺整理がしやすくなるようです。財産目録の作成は終活の早い段階で着手し、変更があれば、その都度修正していきます。

財産目録の作成方法

財産目録の作成は法律的義務ではないので、決まった書式はありません。自分の財産を1つづつ一覧にして見える化、可視化していきます。以前は自筆で作成していましたが、現在はパソコンを使ってExcelで入力できるので、ひな形も用意されています。遺言書に添付する財産目録をパソコンで作成すると、全てのページに署名・捺印が必要です。正確な財産目録を作成するには、弁護士、行政書士など専門家に依頼するのも、良い方法でしょう。財産目録は3段階に分けて作成します。

財産を全て洗い出す

通帳類、土地家屋の権利書、保険証券、貴金属の鑑定書、車検証など自分の持っている財産を証明する書類を揃えて、一つずつ精査していきます。この時点で残高の少ない口座などは解約し、整理しておくとよいでしょう。

目録に記載する

確定した財産を全て一覧表に記入していきます。預貯金は金融機関名、口座番号、種別など項目に分けて記載します。市販のエンディングノートは財産目録のページが空欄穴埋め式で書きこめるので、こちらを利用すると分かりやすく記入できます。

負債目録を記載する

財産目録と分けて、負債目録を作ります。マイナスの財産を記載すると、プラスの財産と見比べて、正確な資産状況が把握できるので、必ず記入しておきましょう。

財産目録を作成するメリット

財産目録は自分に判断力のある時点で、ぜひとも作成しておくべき書類です。終活において財産目録を作成するメリットは主に3点挙げられます。

自分の財産を正確に把握できる

財産目録には相続に該当する財産を全て記載するので、何を残すのかをはっきりさせることができます。手放したいもの、使い切りたい金額も見えてくるので、今後の生活設計に役立ちます。

遺言書が作りやすい

財産目録をもとにして遺言書が作られます。誰に何を残すのか、遺言の資料として大きな効力を発揮します。

相続のトラブルを防げる

財産目録は相続のトラブルを防げます。財産が正確に可視化されると、遺族は困惑せずに遺産協議が進められるようです。目録に記載されていない財産があとから見つかると、相続に混乱をきたすので、正確に洩れなく記載することが重要です。

財産目録の作成は終活の早い段階で着手すべき作業です。一覧表に記載し、財産の可視化を図って、相続のトラブルを防ぎます。相続のためだけでなく、終わりを迎えるまでの自分の生活設計にも大いに役立つでしょう。