自分自身の葬式を、自分で取り仕切ることは出来ません。
でも、葬式の希望する形を家族に伝えておくことは可能です。
葬式の希望を伝えることで、家族の負担を減らすことが出来、自分らしい葬式を行ってもらうことも出来ます。
この記事では、葬式の希望を伝えることのメリット・デメリットをご紹介し、伝える手順を解説します。
遺された家族のためにも自分自身のためにも、自分の葬式について考えてみませんか?
葬式の希望を伝えるとは
親戚や友人の葬式に参列したことがありますか?
ある程度の年齢になると、葬式に参列する機会が増えてきます。
葬式に参列すると、自分の葬式についても思いを巡らせてしまうことは珍しいことではありません。
「こんな温かい雰囲気で送り出されたいな」
「こういう葬式は嫌だな」
など自分だったらどうしたいという考えがあれば、家族に伝えておくことをお勧めします。
葬式の希望を伝えるメリット
自分の葬式を思い浮かべることで、人生を見つめ直すきっかけにすることが出来ます。
今後をどう生きたいか・最期に望むことは何かを考えることが出来ます。
また自分の葬式を納得いくものにできるというメリットもあります。
死後、遺族は大きな悲しみの中で決めなければならないことがたくさんあります。
葬式の希望を明確にしておけば、遺族の精神的負担が軽くなります。
葬式の希望を伝えるデメリット
葬式の希望を伝えることは、必ずしも良いことばかりではありません。
「終活」という言葉が使われるようになり、葬式の希望を伝える人は増えていますがまだまだ一般的ではありません。
縁起が悪い、死後のことは考えたくないと家族に反対されないよう丁寧に話を進める必要があります。
葬式の希望の伝え方・手順
自分の葬式を想像するのは難しいことです。
希望を伝えると言っても、何をどのように伝えたら良いのか分からない方がほとんどでしょう。
ここでは、葬式の希望を伝える手順を解説します。
1. 参列者名簿を用意する
はじめに、葬式に参列してもらいたい人の名簿を用意します。
家族が連絡を取りやすいように、自分との関係と連絡先を一覧にしておきましょう。
参列してもらいたい人数がわかれば、必要な会場が自ずと決まってきます。
2. 遺影写真を選ぶ
遺影写真を選ぶのは意外と手間がかかります。
特にほとんどの写真がデータで残っている今、遺族が1枚1枚チェックしてベストな写真を選ぶのは難しいでしょう。
遺影の候補となる写真を予め用意しておくと、お気に入りの写真を使ってもらうことが出来ます。
最近では、写真館で遺影用の写真を撮影してくれるサービスもあるほど、写真にこだわる人が増えています。
1枚に絞らず、複数枚の中から選んで欲しいと残しておいても良いですね。
3. 棺に入れる副葬品の希望を書き留める
火葬の安全性が損なわれるものや、生きている方が写っている写真など、入れられない物もありますが、棺に入れてもらいたい副葬品も指定出来ます。
また、長い歴史のある死装束にも、最近では故人のお気に入りの洋服を選ぶ人が増えています。
仏衣を着た上で、お気に入りの洋服をかけてもらうことも可能です。
4. こだわりたいことを考える
葬式には「こうしなければならない」というルールはありません。
・ 派手にしたい
・ お花をたくさん飾ってほしい
・ 好きな音楽を流してほしい
・ 用意した感謝の手紙を読んで欲しい
・ スライドショーを流して欲しい
など、現実的な内容であれば、故人の遺志で自由な式を行えます。
特にこだわりたい内容があれば、記載しておきましょう。
5. 葬式の希望の存在を家族に伝える
葬式の希望の存在は、どこに保管しているかを必ず家族に伝えておきましょう。
葬式の希望を正しく伝えるためにどうすれば良いか
誰にとっても自分の葬式は1回きりの出来事です。
せっかく希望を伝えようと思って準備を進めているのだから、失敗はしたくないですよね。
ここでは、葬式の希望を正しく伝えるための注意点をご紹介します。
葬式の希望の存在を家族に伝え保管場所を決めておく
死後、遺された家族にはやらなくてはいけない手続きが多く、想像以上にバタバタします。
そのため、家族が故人の希望に気が付かないまま葬式を終えてしまう可能性があります。
葬式の希望を書いたら、その存在と保管場所は必ず家族に伝えておきましょう。
葬式の希望は時々見直して最新情報に更新しておく
特に、参列者名簿は時々見直すことが大切です。
直近で知り合ってお世話になった人が、参列者から漏れることのないように注意しましょう。
葬式の希望をいきなり伝えない
何の前触れもなく、いきなり葬式の希望を伝えては家族もびっくりしてしまいます。
縁起が悪いと敬遠される場合もあるでしょう。
葬式の希望を伝えるときは、ゆっくり丁寧に自分の気持ちを伝えるようにしましょう。
規模が大きくなれば費用も掛かることを意識しておく
葬式の希望を考え参列者リストを作ったら、かかる費用の目安が分かります。
希望を全て取り入れてしまっては費用が大きく膨らむことも考えられます。
予算も忘れずに考えておきましょう。
また、必要に応じて葬式費用を確保しておくことも重要です。
葬式は家族のためにも自分らしく
葬式は、遺された親族や友人が大切な人を亡くした事実を受け入れるための儀式です。
葬式の希望を伝え自分らしい葬儀の準備をしておくことで、遺族は悲しみを共有する時間を作りやすくなります。
家族が新たな一歩を踏み出すお手伝いをするためにも、葬式の希望は明確にしておきましょう。