親御さんとコミュニケーションの機会を増やしておくと、親御さんの考え方を理解しやすくなるため、終活を薦めるときにも伝えやすくなりますし、サポートするようになったときの戸惑いや、理解不足を減らすことができます。親御さんの終活をサポートする際のお子様準備として「親御さんとのコミュニケーション増やしてみよう」というテーマでお伝えします。
何から始める?
急に親御さんとのコミュニケーションを増やすことはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。難しく考えずに、挨拶から始めてみるのはどうでしょう。
特に離れて暮らしている場合は、LINEで「おはよう」、「お休み」を送るだけでも、親御さんは喜ぶのではないでしょうか。写真を送ることができる親御さんでしたら「今日は何を食べたの?食事の写真を送ってよ」とお願いすれば、食生活を知ることもできます。食事の写真を見て、「もっと○○食べた方がいいかも」「おいしそうな○○を見つけたから、今度送るね」などと伝えることで、親御さんも食事に気を付けるようになるかもしれません。
やり取りが増えてきたら、電話やビデオ通話を混ぜていくことをお薦めします。話すことは高齢の方にとってよい刺激になります。ビデオ通話の場合はお孫さんにも入ってもらう、なども効果的です。LINEや電話で親御さんの近況を定期的に聞くことで、話題を見つけやすくなりますし、親御さんのちょっとした変化にも気づきやすくなります。
直接会うと、言葉だけでは気づかなかった情報やニュアンスを感じとることができます。難しい方もいらっしゃると思いますが、昨年より1回でもいいので帰省の回数を増やすことができるといいですね。
感謝の気持ちを伝えてみよう
親御さんに感謝を伝えるのは恥ずかしいと思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、皆さんも感謝を伝えられると、認められた、大切にされているなどと感じることがあると思います。特に親御さんはお子さんから感謝を伝えられると、お子さんからの愛情を再確認できたり、自分が子どもの役に立てていると感じます。高齢になると体力の低下や新しい物事を理解することに時間がかかったりして、自信をなくしてしまう方もいらっしゃいます。そんなときに、子どもからの感謝の言葉を聞くと、自信が湧き、日々を前向きに過ごすことにつながります。
また、感謝を伝える方も、伝えた相手が嬉しそうにしていると、伝えてよかったという気持ちになりませんか。小さなことでも感謝を伝えることを意識すると、親御さんとの距離も近くなり、会話が増えるきっかけにもなるでしょう。
母の日、父の日などのイベントのときは、プレゼントだけではなく手書きの手紙で感謝を伝えるのもお勧めです。親御さんが喜ぶだけではなく、プレゼントする側も思いを文字にすることで、気持ちを整理できたり、新しく気づくことがあるかもしれません。
今までの人生を聞いてみよう
親御さんがどこで生まれたかは多くの方が知っていると思います。ですが、どんな学生時代だったのか、どんな社会人だったのか、どんな気持ちで子育てしてきたかなどを知っている人は少ないと思います。親御さんの今までの人生を聞くことは、価値観や人生観を知ることができるでしょう。親御さんの行動や考えを理解することにもつながります。そうすると、今後どうしたいのか、終活についてどう思っているのかなども理解しやすくなります。親御さんが元気なうちにいろんなことを聞いてみましょう。特に今までの人生を聞くことで、親御さんが何を大切にしているか、どのような信念を持っているか知ることができるかもしれません。お子さんにもよい影響を与えたり、親御さんへの気持ちを新たにする機会にもなります。また、親御さんの脳の活性化にも役立ちます。
さらに、家族の歴史についても聞いてみるのもいいですね。家族のつながりを強めるだけでなく、ご自身について考えるきっかけになり、価値観に影響を与えるかもしれません。家族の歴史を聞き共有することは、親御さんとお子さんだけでなくお孫さんにとってもよい体験になるでしょう。
一緒の時間を過ごしてみよう
親御さんが元気なうちに一緒の時間を過ごすことは、家族に充足感を与えたり、結束力を高める効果があると言われています。親御さんの体調や気持ちにもいい刺激になります。それに、一緒に過ごした時間は、あとから振り返ってみるとよい思い出にもなりますよね。
一緒の時間の過ごし方として、旅行を思いつく方も多いと思います。旅行は、親御さんと一緒の時間を過ごす絶好の機会です。旅行先で新しい体験をしたり、美しい景色を見たり、美味しい食事を楽しんだりすれば、「あそこに行ったときこんなことがあったよね」というようなコミュニケーションにもつながります。同じ体験をすることは、家族の皆さん共通の思い出になるので、何度でもその話題で盛り上がることができますよね。
また、旅行の際は写真をたくさん撮っておくのもいいですね。写真を見返すことで、そのときのことが思い出しやすくなります。
他には、親御さんと共通の趣味を持つことで、一緒に過ごす時間を充実させることができます。例えば、料理やガーデニング、スポーツなど。一緒に料理をしたり、互いに育てた植物がどうなっているか教え合ったり。スポーツは一緒に体を動かすこともそうですが、一緒に観戦することでも盛り上がれます。
家族でのイベントや集まりに参加することも、一緒に時間を過ごす良い機会です。例えば、年末年始、誕生日会、クリスマスパーティー、結婚記念日など。親御さんはお子さんやお孫さんが集まることで、自分のことを気にかけてくれていると嬉しく感じると思います。
まとめ
親御さんが元気なうちにコミュニケーションの機会を増やすことで、その後の終活のサポートがやりやすくなります。高齢の方は、今はお元気でも急に体力、気力が衰えることがあります。まだまだ元気だからと思わず、少しづつでいいのでコミュニケーションを増やしておくことで、後からやっておいてよかったと思うでしょう。
時間はどうしても限られています。後からやっておけばよかったと思う前に、意識的に親御さんとのコミュニケーションを増やしてみませんか。