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失敗しない事業承継のために必要なこと全て!親族内承継の流れ、注意点、主な方法を網羅的に解説

子どもに会社の後を継がせたいと考えているものの、いつからどのように準備すれば良いかわからないという人も多いのではないでしょうか?

親族に事業承継する場合、すぐにできるわけではなく数年の期間を設け、時間をかけて進める必要があります。本記事では、親族内承継の流れや、注意点、主な方法についてご紹介します。

親族内承継をする場合の大まかな流れ

親族内承継は、経営者が自身の子どもなどの親族に会社経営を引き継ぐことになります。自身が創業者または先代から会社を引き継いでいる場合、親族に引き継いでもらいたいと考えることが多いです。

親族内承継の大まかな流れは次のとおりです。

後継者の育成

親族内承継するには、後継者を選ばなければ始まりません。後継者を選定したら、経営者としての育成が必要です。後継者に対して、事業の運営に必要なスキルや、知識を身につけるための研修といった実務経験、また経営者としての経営ノウハウや、人間関係の構築など、幅広い経験が必要となります。

事業承継計画の策定

事業承継はすぐに引き継げるわけではないため、あらかじめ計画を作る必要があります。経営者と後継者、また家族とも話し合って、どのような形で事業を引き継ぐか、またタイミングはいつなのかなど、後継者の育成と併せて計画を立てておく必要があります。

財務面の整理

事業承継計画を策定したら、財務状況を整理する必要があります。現在の経営において、会社の借り入れ状況、借入金の保証や担保などを確認します。経営者が個人保証していたり、個人資産を担保に入れていたりする場合、後継者に交代しなければ、引退した後も保証と担保が残ってしまいます。金融機関と交渉して、後継者に保証や担保を交代することが必要です。

また親族内承継する場合、後継者と他の親族との相続の取り分に大きな差が生じることがあるため、他の親族の相続分を確保するなどの相続対策も必要となります。

親族内承継するにあたって、経営者と後継者、他の親族、会社の関係者とコミュニケーションをしっかりと取って、事業承継に必要な手続きを確実に行うことが重要です。

親族内承継する上でのメリットとデメリット

親族内承継を行うにあたって、メリットデメリットがあるためそれぞれご紹介します。

メリット

親族内承継のメリットとして3つあります。

事業継承の準備期間を長く取れる
後継者を経営者として育成する場合、営業や製造、総務といった会社の主要部門をひととおり経験させる方法を取ることがあります。主要部門を経験させることで、会社がどういう流れで回っているかを把握でき、また現場の従業員とも関わることが可能です。

主要部門をひととおり経験させるとなると、十分な準備期間が必要となり、その後役員となって経営者としての経験を積むことになります。経営者の子どもなどが、早くから自分が経営者になることを意識していれば、早い段階から後継者を育成できるでしょう。

・現経営者が安心できる
現経営者が、創業者または先代から受け継いできた場合、会社に対する思い入れが誰よりも強くなります。大切な会社を自分の子どもなどの親族が引き継ぐことで、他の第三者が引き継ぐよりも安心できると思う経営者も多いでしょう。

・経営者が変わっても協力や理解が得やすい
経営者の親族が後継者の場合、従業員や取引先に紹介しても感情的に受け入れやすいことが多いため、協力や理解が得やすいでしょう。そのため取引先や金融機関に引き継ぎする際も円滑に進められます。

デメリット

親族内承継のデメリットとして3つあります。

・能力による問題
親族内での事業承継の場合、後継者が必ずしも能力に恵まれているわけではありません。後継者が経営者として一人前になるためには、十分な経験と知識を積ませることが大切です。

・遺産トラブルの可能性
親族内承継では、経営者が持っている自社株を後継者に引き継がなければならないため、生前贈与や相続による方法で行います。しかし1人の親族に経営者である親の資産が集中するため、他の親族と遺産トラブルが発生する可能性があります。後継者だけではなく、他の親族が引き継げる資産などを準備して極端な不公平感がないようにすることが大切です。

・税金がかかる
生前贈与や相続によって親族内承継する場合、贈与税や相続税が課税されます。原則として現金納付となるため、現金がなければ他の資産を売却しなければならなくなります。あらかじめ、贈与税や相続税を支払えるように税金対策しておくことが大切です。

親族内承継の主な方法

親族内での事業承継には、いくつかの方法があるため、代表的な方法を紹介します。

相続による方法

相続による方法は、経営者が亡くなった後に法定相続人の1人である後継者に遺産分割する中で事業を相続させることです。ただし経営者から生前のうちに、後継者を決めており、自社株や会社の資産などを相続させることを他の相続人にも話しておく必要があります。また他の相続人の法定相続分を侵害することも多いため、侵害しないように別の相続できる財産を準備しておくことが大切です。

もし何も準備しないで、後継者が自社株などを相続する場合、相続分でトラブルになることが多いため注意するようにしましょう。

生前贈与による方法

生前贈与による方法は、経営者が自分の財産を贈与する形で、自社株や会社の資産を後継者に引き継ぐことになります。自社株などを引き継ぐにあたって、1年で引き継ぐと贈与税の額も大きくなるため、5年などの期間を設けて贈与するなど、計画を立てて行う必要があるでしょう。

株式譲渡による方法

株式譲渡は、親族内承継の場合であれば、経営者が持つ自社株を全部または一部を後継者が買い取ることです。後継者が自社株を買い取るには多額の資金が必要となるため、買い取る際に後継者の役員給与を上げるなどの方法が取られます。税務や法的な問題もあるため、専門家のアドバイスを受けながら行うことをおすすめします。

親族内承継は早期に始めることが望ましい

親族内承継を始めるにあたって、一番にやっておくべきことは後継者の選定です。後継者となる親族に早めのうちから、後継者にしたいことを伝えて了承を得ておくようにしましょう。もし了承を得ないまま後継者の育成を進めてしまうと、後から後継者になるつもりはないといった揉める原因となるため注意が必要です。

後継者が決まれば、中長期的な展望で事業承継計画を策定し、後継者の育成も行っていきます。後継者の育成は事業にとって必要なスキルや知識のほか、経営者としてのスキルも必要となるため、計画的に指導することが必要です。

親族内承継するにあたって、相続や生前贈与、株式譲渡といった方法があります。どの方法も税務や法的な問題が伴ってくるため、専門家に相談して必要な手続きを確認することが大切です。

以上のように親族内承継は早く進めることで、事業を後継者に引き継ぐために必要な手続きや、準備を計画的に進めることができるようになります。