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相続手続きの負担を減らし、遺産分割の円滑化を図るための『財産目録』の作成方法と活用法を徹底解説!

家族が亡くなると、相続人たちは速やかに遺産分割協議を行い、被相続人名義の全ての財産を分散しなければなりません。しかし、この話し合いを行うにあたって、被相続人がどのような財産をどれだけ所持していたのか、中身を知る必要がありますよね?相続財産には多岐にわたり存在しておりますが、それらが遺族内で共有されてないとなると、残された遺族達が手がかりを頼りに探し回らなければならず、想像以上の時間と労力を要してしまいます。特に借入などマイナスの財産が後々見つかったともなれば、相続間トラブルに発展するなんてことにも成りかねません。 

そこで、残された遺族の負荷を減らし、財産争いを防止するためにも生前のうちに用意しておきたいのが「財産目録」です。 

ここからは、財産目録の作成手順から作成にあたって注意しておきたいポイントまで解説していきます! 

財産目録とは?作成しておくべき理由を解説! 

財産目録とは、相続人に引き継がれるべき預貯金や不動産などの資産に加え、借入などの負債を含む全ての遺産を一覧にまとめたリストのことを言います。最近では、子どもの独立で家族と疎遠になっていたり、独身のおひとり様が増えたことで終活プランの1つとして、早めのうちに作成される方も多くなっています。財産目録は、相続手続きにおいて必ずしも作成しないとけない義務はありませんが、ご自身が亡くなった後に行われる遺産相続を円滑に進めるためにも、遺書と一緒に作成することが推奨されています。 

その他にも、数々のメリットがあるので見ていきましょう。 

財産内容の全体像が可視化できる 

相続は、プラスの財産はもちろん、マイナスの財産も全て遺族へ引き継がねばならず、決して抜け漏れがあってはなりません。そこで、一旦財産目録に書き出し、見える化することによって忘れかけていた財産に気付けたり、遺言書を残す場合には、これらを踏まえて遺産分割を考えることが可能になります。 

相続放棄をするか判断の目安となる 

被相続人に多額の借入が残っているなど、相続することでマイナスになってしまうような場合、相続人は相続放棄することで支払い義務を回避することができます。しかし、相続放棄は被相続人の死亡から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てなければならないという期限が設けられており、ゆっくりしている間はありません。一から財産を調査するとなれば、手間と労力も要しますので、非常にハードルが高い作業ですよね?しかし、財産目録があることによって事前に遺族たちに共有することができますので、決断から申し立てまでスムーズに進めることができるのです。 

相続税対策になる 

相続する財産項目と併せ、財産目録にその金額を明記しておけば、その総額から事前に納めなければならない相続税の概算を試算することができますので、生前のうちから資金準備をしておくことが可能になります。また、相続税の申告時には、相続財産目録を元に用紙に転記するだけで済むので、作成手間が大幅に軽減できるというメリットも持ち合わせています。 

相続財産目録の作成方法とは? 

財産目録には決まった書き方はないため、ノートへの手書きはもちろん、インターネット上にある雛形をダウンロードして記入し作成することもできます。明記する主な内容は以下の通りです。 

・不動産情報 
・預貯金の情報 
・株や有価証券の情報 
・自動車などの所有物の情報 
・その他資産となりうるものの情報 

なお、不動産や有価証券、自動車などについては、当時の評価額も併せて明記しておくようにしましょう。 

財産目録を作成するうえでの注意とポイントを解説! 

財産目録は、遺産分割協議の際に使われる重要な参考資料です。正しく情報を記入しておかないと、いざ相続人たちの手に渡った際にどれがどの財産を指していて、それがどれほどの価値があるものなのか分からないなんてことに成りかねません。また、もし財産が多岐にわたり、どこから手を付ければいいか分からないような場合には、司法書士など専門家の手を借りることも選択肢と入れられることもお勧めです。 
財産目録は作成義務のないものですが、自分の死と向き合われたとき、残された家族たちの負荷を少しでも削減できるよう、しっかりポイントを抑えて正しく作成しておくようにしましょう。